日誌

TAMULOVE PROJECT日誌

キャリアアップスタディ

「つるし雛」の作成中 本校では毎年この時期から,3年生の総合的な学習の時間に「キャリアアップスタディ」を位置づけて実施しています。
 「キャリアアップスタディ」は卒業後の生活を蔦かなものにするための講座で,今年度の内容は「進学に向けて」「お人形様づくりと百人一首」「つるし雛づくり」「読書」「ゴルフ」の全5講座。私が出張から戻ってくると,グラウンドではゴルフ講座の準備中。担当の先生が「腕前を見せてやる」と思っていたかどうかは分かりませんが,青空のもと生徒たちも「初めての経験で楽しみ」という雰囲気で活動していました(残念ながら写真を取り損ねました)。

 「つるし雛づくり」と「お人形様づくり」は,「TAMULOVE PROJECT 2017」の一環で,今回も田村市復興応援隊のお世話になり,「キャリアアップスタディ」に組み入れていただきました。
 「つるし雛づくり」講座(つるし雛とは)の指導者は,田村市産業部観光交流課の方々です。部屋に入るなり担当の先生に「校長先生,この男子生徒上手なんですよ」「みんな休み時間も取らずに黙々と作業してるんです」と言われて見てみると,みんな本当に真剣で上手なんです。今日は全員「子犬」を作り,ちょうど「耳」の部分を縫っているところでした。生徒たちが作成した「つるし雛」は田村市内に飾ってくださるとのこと。楽しみです。

針仕事に熱中する男子生徒 完成予定の子犬 小さくて大変です

 「お人形様づくり」講座(お人形様とは)は,お人形様保存会の吉田渉さんが指導者です。今日は,お人形様の解説と自らの人生経験を,面白おかしく語ってくださった1時間でした。吉田さんは70歳の大工さん。いったん話し始めると止まりません。パワフルです。この吉田さんに指導していただき,お人形様のミニチュアを2体作ります。生徒たちには「お人形様デザインコンテスト」の用紙が配付され,「私は田村市の○○を守る!!」というメッセージをつけてデザインを考案。この中から2作品を選んで,お人形様の顔にするとのこと。こちらも完成が楽しみです。
 ということで,「TAMULOVE PROJECT 2017」の活動を通して,地域の魅力を再発見し,地域愛を育み,地域の後継者・リーダーに成長してほしいと願っています。

吉田渉さんのパワフルなお話 生徒たちのデザイン お人形様の手のひらかな?

活気溢れる地域をみんなの力で

 今日は「TAMULOVE PROJECT 2017」の最終回。今日は午後2時間で行ったので,前回よりも内容が豊富で,楽しい体験学習になったようです。
 農業体験班は,先週に引き続きピーマンの収穫作業を体験しました。収穫の仕方は要領が分かっているので,手際よくどんどん進みます。今日はさらに出荷準備もお手伝い。実についた茎の部分をはさみで切り取り,傷の有無を確認して,大きさ毎に分類します。それらをさらに袋詰め。袋への入れ方も教えてもらい「お店に売っているのと同じだ」との声も聞かれました。帰りにはみんなピーマンをたくさんいただきました。

 郷土料理班は「しんこ大福」づくり。調理室に行くのがチョット遅くなり,大福はすでに完成していました。男子に何が難しかったの?と聞くと「あんこをちょうどいい大きさに丸めるのが難しかった」と言ってました。指導して頂いた方からは「みんなすごく上手ですよ」とお褒めの言葉。私も職員室においてあった大福を1ついただきました。甘さ控え目で美味しかったです。

 つるし雛作成班は今日が完成日。みんなとても上手に作っていました。1時間もすると早い生徒はすでに完成しています。わかりにくいところ,うまくいかないところは丁寧に教えていただき,かわいいつるし雛を最後は男子も全員完成しました。「男子も一生懸命で上手ですよ」とこちらもお褒めの言葉。みんなが作ったつるし雛をまとめて飾ったら,すごくステキだと思いました。

 スコップ三味線班は,若者の曲 One o'Clockの「マイティロングフォール」に挑戦。流れる曲に合わせてスコップを栓抜きで叩いてリズムをとる,エア三味線という感じでしょうか。ノリにノってソロパートを担当する生徒もいます。「さすが若い人は覚えるのが早いよね」と覚えの早さと度胸の良さを褒めていただきました。ぜひ大勢の前で演奏を披露してほしいですね。恥ずかしがらずにやれば,ウケること間違いありません。

 消防団活動班は,先週に続いて団体行動訓練を行い,今日はさらに災害時に役立つコップとスリッパの作り方を教えていただきました。非常時用ですからコップもスリッパも新聞紙で作りました。常葉の女性消防団の方々は消防車の車両点検を行ったり,冬にはお年寄りの見守り活動も行っているんだそうです。互いに助け合う心,これが地方の力ですよね。

 ヒマワリで制作班は,ヒマワリ染め体験。ヒマワリの種を煮出して作った染料に布を入れて染め上げます。布を縛った所には白い模様ができるので,みんな思い思いの模様を工夫していました。最後に,佐久間さんが育てたパッションフルーツのゼリーをいただきました。路地で育てているパッションフルーツとしては北限だとのこと。爽やかな甘みがとても美味しかったです。生徒たちには「行動しないと何も始まらない。無茶をしてはいけないけど行動することが大切」という話をいただいて終了しました。

 今年の「TAMULOVE PROJECT 2017」は,本当にたくさんの方々にお世話になりました。それぞれの地域や地区で活躍している方々のパワーを感じました。そして,若い人達にたくさん教えてあげたいし,若い人達を大切にしたいという気持ちも感じました。生徒たちも皆さんの思いを感じたはずです。
 若者の力で田村市を盛り上げ,活気溢れる地域をみんなの力で創りあげてください。
 お世話になった講師の方々,田村市復興応援隊の方々,本当にありがとうございました。改めて感謝申し上げます。

町の先生

目標のつるし雛 今回と次回は「TAMULOVE PROJECT 2017」の最後の学習で,体験活動を通して田村市の魅力に触れることがねらいです。体験活動は「郷土料理教室」「つるし雛作成」「スコップ三味線教室」「ヒマワリで制作」「消防団活動」「農業体験」の6コース。今回は45分という短時間だったため,御協力いただいた町の先生方には大変忙しい思いをさせてしまいましたが,とても充実した体験学習になったと思います。
 「郷土料理教室」は,都路町の愛都路の会のお世話になり,じゅうねんぼた餅・インゲンのじゅうねん和え・あんこ餅作りです。事前にご飯を炊き,じゅうねんを磨りつぶし和えるだけにして来て下さいました。私も1個じゅうねんぼた餅をいただきました。じゅうねんの味が濃く甘さ控え目でとても美味しかったです。

  

 「つるし雛作成」は,常葉町の「ときわ木の会」の皆様にお世話になりました。このコースも一から始めると時間がかかるため,いくつかのパーツを途中まで作ってきて下さいました。目標はピンクの桃。裁縫に慣れている女子生徒は,この短時間に綿を詰めれば完成という所までできたようです。男子生徒も慣れない手つきで楽しそうでした。

  
 
 「スコップ三味線教室」は,船引町の「コスモス会」の皆様に教えていただきました。「スコップ三味線」は音楽に合わせてスコップを栓抜きのような金属で叩いて演奏します。コスモス会の皆さんは黄色の法被を身にまとい気合い十分。「みんな覚えが早いね」と褒められました。次回はどんな曲を演奏するのでしょう?

  

 「ヒマワリで制作」は,大越町の「牧野ひまわりの会」佐久間辰一さんの指導で,ひまわりの茎で杖作りを行いました。「牧野ひまわりの会」は,畑に3万本のひまわりを植え,ここで結婚式を挙げる人もいるほどです。佐久間さんのお話は多方面に渡り,特にひまわりの種の並び方は二重らせん構造になっていて,右巻きと左巻きの比が黄金比に近い値になっていることも教えていただきました。

  

 「消防団活動」は,常葉町の女性消防団の指導で「女性消防団活動体験」。私も「女性消防団」なるもの初めて知りました。生徒たちは敬礼の仕方を教えていただき,機敏に団体行動をしていました。団長の三浦さんのインタビュー記事もぜひご覧下さい。

  

 「農業体験」は,船引町の佐久間耕栄さんの畑で,ピーマンの収穫体験をさせていただきました。私は畑に行くことができませんでしたが,担当の先生が写真を撮って来てくれたのでご覧下さい。なお,田村市復興応援隊のページにその動画が載っていますのでこちらもぜひご覧下さい。

  

 来週がこの体験学習のクライマックスです。それぞれの体験の楽しさばかりではなく,指導していただいている町の先生方が,なぜこんなに一生懸命取り組んでいるのか,なぜみんなに一生懸命教えて下さるのか,その思いをぜひ聞いて下さいね。

私が田村市長だったら

全員で記念撮影 さて,今回の「TAMULOVE PROJECT 2017」は,移地区の若者集団「Uniy」の皆さん10名においでいただき,2年生全員を対象に体育館でワークショップを行っていただきました。(Uniyは,Utsushi New Inovation Youthの頭文字をとったもので,船引町の移地区の新たな地域・魅力づくりに取り組んでいる団体です)

 今日のワークショップのテーマはズバリ「地域おこし」。田村市の良いところを再発見し,田村市の「いいね!」を増やすにはどうしたらいいか,を考えるのが目的です。2年生全体を9班に分け,「『○○○』プロジェクト ~私が田村市長だったら~」を各班毎に考えて発表することになりました。各班のファシリテーターにUniyのメンバーと復興応援隊の方々に入っていただき,さっそくブレインストーミング開始。

体育館全部を使ったブレインストーミング アイディアをたくさん出し合っています アイディアを1つのプロジェクトにまとめました

 「ここがいい」と思うことをどんどん付箋に書き出し,模造紙に貼っていきます。たくさん出したアイディアをまとめて作ったプロジェクトを発表している場面がこちらです(写真の上にマウスを乗せると,プロジェクト名が表示されます)。「最初に発表してくれる班は?」と問いかけるとすぐに3つの班が手を挙げました。これもスゴイことです。

片曽根山全体をツリーにする「カタツリー プロジェクト」 お年寄りの方々の元気をいただく「じぃばぁプロジェクト」 デートコースが選べる「恋の鐘を鳴らそうプロジェクト」

お人形様をまわるマラソン大会「ONPプロジェクト」 片曽根山全体をアスレチックコースにする「アスレチック プロジェクト」 地元飲食店を有名にする「栁明を有名にしようプロジェクト」

片曽根山で満天の星を見上げる「片曽根山で天体観測プロジェクト」 各地区にある山に登ると景品がもらえる「そうだ! 山へいこうプロジェクト」 日本で一番元気な市になってみんなに元気を分け与える「とうろう流し元気プロジェクト」

 最後にUniyさんを囲んで記念撮影。Uniyさんは,今日のために打合せを何度も行って下さったそうです。その甲斐あってとても充実したワークショップになりました。生徒たちが提案したプロジェクトは,田村市長さんに届けて下さるとのこと。生徒たちのアイデアが生かされれば嬉しいですね。Uniyさん・復興応援隊の方々,今日は本当にありがとうございました。

あなたは,何を引き継ぎますか?

 今回の「TAMULOVE PROJECT 2017」は,「田村の人を知る」の第4弾。今日お話をお聞きしたのは,滝根町で農産物の加工を行っている福福堂の稲福さんです。稲福さんは,「滝根町で田植えをしてみませんか?」という広告に偶然出会い,東京から田植え体験にやってきたのが移住のきっかけだったそうです。
 「何もないところによく来たね」と言われるそうですが,「素晴らしい自然・美味しい空気や水・美味しい食べ物など,都会にないものがいっぱいあります」「買い物をする場所がないと言いますが,今は買い物もネットでできる時代です」「私たちの世代で引き継がなければならないのは,自然豊かな田舎の風景と農業だと思います」「福島だからこそ,できること,やるべきことが見つかります」「皆さんには,たくさんの可能性があります」と熱く語ってくださいました。
 稲福さんからは,「地域の魅力を伝えたい,という熱い思いをもっていれば,それを実現するきっかけは至るところにある。諦めずにチャレンジしよう」というメッセージをいただきました。
 6次化商品開発に取り組み,ジャムや黒米の甘酒を販売している稲福さん。もうすぐ甘酒プリンもお目見えするようです。熱い思いが一杯詰まった美味しいプリンを私もいただきたいと思います。

熱く思いを語る稲福さん これは何の葉でしょう?(ミツバです) 終了後の写真撮影